茶の酒:スタートアップと蒸留所が、新鮮な茶葉から初めてのクラフトジンを創りだす

By Guan Yu Lim

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茶の酒:スタートアップと蒸留所が、新鮮な茶葉から初めてのクラフトジンを創りだす

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株式会社TeaRoomと辰巳蒸留所は、日本初の茶葉を使ったクラフトジンを共同開発、商品化をした。

ファースト エッセンス ティー リーフ ジンというブランド名で、在来品種と香駿の生葉を使用しており、乾燥茶葉ではなく新鮮な茶葉を使用した初の革新的な製品である。

TeaRoomは、伝統的な茶文化を現代のライフスタイルに融合させることを目的とする、東京を拠点としたスタートアップ。自社農園で茶葉を生産し、製造工場も保有する。

辰巳蒸溜所は、岐阜県に本社を置く蒸留酒メーカー。

TeaRoom代表取締役のRyo Iwamoto氏は、FoodNavigator-Asia​誌に「RTD飲料やコーヒーへのシフトで魅力を失いつつある国内茶葉市場を盛り上げたい」と意気込みを語った。

「茶をアルコールに浸出させるジンのプロジェクトを通じて、茶市場の成長と拡大の可能性があります。」

この製品の論理的根拠についての詳細はビデオで。

Iwamoto氏によると、ここ数年、日本ではジンの人気が高まっているという。

「多くの企業がジン市場に参入しているのは、ウイスキーに比べて製品化に要する時間が短いという経済的メリットがあるからです。」

日本初

ファースト エッセンス ティー リーフ ジンを作るには、まず新鮮な茶葉を発酵させて風味を醸しだし、約8時間蒸留する。

発酵によって、香駿はジャスミン、サクラ、青リンゴ、マンゴーといった花のようなフルーティーな味わいを出し、在来茶はまるで茶畑にいるようなワイルドでフレッシュな風味を出すとIwamoto氏は説明した。

ファースト エッセンス ティー リーフ ジンは日本で最初のティージンではなく、他にも「季の美 京都ドライジン」やサントリーの「ジャパニーズクラフトジンROKU」などがある。

しかし、これらのブランドは、香りと風味を加えるために焙煎した乾燥茶葉を使用している。

Iwamoto氏によると、他の企業が、新鮮な茶葉をジンに使用しないのは、原料として何らの風味を与えないからだという。

花のようなフルーティーな風味を出すには発酵 (酸化) させる必要がある。TeaRoomと辰巳蒸留所は、茶葉ジンを作るための独自の発酵プロセスを開発している。

生茶葉は静岡県産、ベースアルコールは熊本県産、ジュニパー ベリーはヨーロッパ産を使用している。

今後の計画

両社は、今年の第一弾で312本(各500mL)を生産、第二弾を2021年5月に発売する予定。

長い待機時間は、新鮮な茶葉は春にしか収穫できないためで、通常4月から8月の間の限られた期間で研究開発や生産を行っている。

第一弾はホテルやバー、インフルエンサーなどの厳選されたグループに販売され、価格は4,600円 に設定された。

Iwamoto氏は将来的には5,000本を生産し、酒販店やスーパー、eコマースに流通させるという意欲的な計画を持っている。また、緑茶のような味のジンを作る究極の目標を持って、別のプロジェクトにも取り組んでいる。

「茶のフレーバーをジンに入れるのは非常に難しい。茶には200種類のフレーバー成分があるので、それぞれのフレーバーを蒸留して混ぜ合わせれば、ジンに緑茶のフレーバーを醸しだせるかもしれないと実験しています。」

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