4月16日、日本の安倍晋三首相は、新型コロナウイルス (COVID-19) の蔓延を阻止するため、47都道府県すべてで緊急事態宣言を行った。
安倍首相は、これは封鎖ではなく、診療所、薬局、交通機関、銀行、郵便局、配達サービス、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの必須なサービスは引き続き運営され、日用品を買いに行くことに制限はないと説明した。
しかし、政府はバーやクラブなどの接客娯楽業に対し営業停止を、飲食店は営業時間制限をするよう奨励している。
FoodNavigator-Asia誌が話を伺った食品・飲料の会社によると、製造業は必須な事業とみなされており、ほとんどの会社はまだ操業している。
大手飲料メーカー
ビール、飲料大手のサッポロビールでは生産が続いている。しかし、広報マネージャーのYasuhiro Nagumo氏は、市場は変化していると語った。
「業務用製品は、外出自粛要請により影響を受けていますが、家庭用缶詰製品は好調な売上を見せています。」
工場を除き、従業員のほとんどは在宅勤務を行っている。
アサヒも外食産業での減少がある、同社の広報担当マネージャー、Kristin Chiu氏によれば、生産には影響は今のところないとのこと。
キリンホールディングスの広報担当Ataka Takashima氏は、生産、物流、原材料に支障はなかったと語り、「感染防止対策や食品・医薬品の製造・供給に対する社会的責任を果たし、消費者の日常生活をサポートして行きます」と付け加えた。
一方、コカ・コーラは、政府の要請に従い、サプライチェーンから小売チャネルまで通常通り営業を続けていると述べている。
同社はグローバルな公式声明で、「コロナウイルスの発生が始まって以来、当社は製品を必要とする店舗やコミュニティに安全に製品を届け、従業員の健康を守るためにあらゆる予防策を講じることに注力しています」と述べている。
「地元の食料品店、小売店、レストランは、この困難な時期に各家庭が必要な食料、飲料、必需品を手に入れることができるよう、懸命に取り組んでいます。私たちは、これらのビジネスとサービスを提供するすべての人をサポートするために、できる限りのことをしています。」
乳業と調味料
雪印メグミルクでは、ヨーグルトと乳製品の生産は通常どおり継続している。
広報IR部門のマネージャーであるMasanori Sagara氏は、ウイルスの蔓延を抑制するために、狭いところで作業する人数を減らしていると語った。
マヨネーズとサラダドレッシングで有名なキューピー株式会社では、生産と流通は計画通り継続されている。 実際、2月に以前は5県でしか販売されていなかった、機能性表示食品(FFC)のサラダドレッシングの販売を全国規模に拡大している。
広報担当のAtsuko Udagawa氏はFoodNavigator-Asia誌に対し、「どちらかといえば、販売エリアの拡大効果が大きく、2月と3月は前年の約3倍になっている」と語った。
味の素のグローバルコミュニケーション部門のDaisuke Nakamiya氏は、中国からの原材料の一部を含む多くの製品が食品市場で不足していると述べたが、「私たちは可能な限り細心の注意を払って調味料と食品を生産し続けます」と確約している。
多少の遅れはあるものの、新製品は引き続き発売されると付け加え、味の素も他の食品会社と同様に、外出自粛で業務用製品の売上は落ちたが、家庭向けは伸びていると語った。
日持ちする製品
即席麺等のメーカーである日清食品ホールディングスは、日持ちする商品の需要が高まっていると語っている。
「確かに、市場での当社製品の需要は高まっており、受注も増えています」とコーポレートコミュニケーション部門の責任者であるHaruka Aoki氏。
日経POSのデータによると、日本のスーパーでは3月に約7.19百万個のカップ麺が販売され、前年比13%の増加となっている。
Aoki氏は、「今後も工場を稼働させ、生産を増やし、製品の安定供給を確保します」と語っている。
株式会社ホテイフーズコーポレーションでも缶詰の販売が伸びており、現時点ではサプライチェーンに大きな影響はない。
この後にさらに
緊急事態宣言は5月6日まで有効とされている。
これに先立ち、首相は4月7日、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都県で緊急事態宣言を発令し、その後、全国に展開した。
北海道は、政府の発表に先駆けて2月28日に独自の緊急事態宣言を出し、3月19日に解除したが、第二波の感染症発生に見舞われ、札幌との共同緊急事態宣言を出している。