140年の歴史を持つ中国の酒ブランド、Rong Tai He Moutaiは、初めての輸出促進の真っただ中

パイチュウとしても知られる白酒は、モロコシから作られる中国のアルコール飲料で、アルコール度数40〜60％（ABV）の強い蒸留酒である。

RTHパイチュウは1879年、中国で最初に設立され、昨年初めて国外への輸出を開始した。 現在、ヨーロッパ (ドイツ、オランダ）、オーストラリア、アジア（シンガポール、韓国）の、主にトラベル用品店やスピリッツ専門店に置かれている。

Rong Tai Heのオフィシャル グローバル ディストリビューターである53 Degrees Enterprise 社のディレクター、Stevie Wong氏はFoodNavigator-Asia​誌のインタビューに、同社が現在ターゲットとしているのはASEAN (マレーシア、タイ）と北東アジア(日本、モンゴル)で、これは中国人観光客の多さとその国の飲酒文化が理由だと語った。

また、「中国との社会的・商業的なつながり、中国に対する文化的・社会的な親近感、良いスピリッツにかける意欲と能力、そして現在のアルコール消費率」をその他の要因として付け加えた。

白酒消費​

APACで高級酒を扱うJAABグローバルのコマーシャルディレクター、Kim Heng Teo氏によると、白酒は中国と世界の両方で最も大きく急速に成長している蒸留酒のカテゴリーだという。

IWSRのデータによると、2018年に中国で消費された白酒は、世界全体で消費されたウイスキー、ウォッカ、ラム酒の合計よりも多かった。

世界の白酒市場は、2020年には少なくとも900億米ドルになると推定され、2026年までには1120億米ドルに達し、年平均成長率で3%を超えると予測されている。

Teo氏によると、南西部と東シナ海地域が依然として白酒の最大の消費地であり、2018年の市場シェアはそれぞれ25.08%と19.89%であった。他の主要消費地には、中央部、北西部、華北部があり、それぞれ14.51%、10.75%、10.49%を占めている。

一部の専門家​は、若い消費者がワインのような他のアルコールに目を向けているので、白酒の消費は減少していると言っているが、Teo氏は、白酒はカテゴリーとしてまだ着実に成長していると言い、世界のアルコール消費量は過去30年間で主に、中国とインドによって大幅に増加したと言及した。

「私たちは、アルコール飲料の消費者がさまざまな飲み物、飲酒文化、ライフスタイル（機会と儀式）と経験にますますさらされるようになってきており、飲料にはそれぞれのライフサイクルがあるとの見解を持っている。若年層の統計学属性と心理学的属性を形作ることで知られているソーシャルメディアは確かに重要な貢献をしており、白酒を含むアルコールの到来と消費の両方において非常に重要な役割を果たし続けるだろう。」

生産​

RTH白酒は、中国の貴州省の茅台町にある蒸留所(Guizhou Donghuang Rongtaihe Liquor Co）で生産される。 貴州省は、町を流れる赤水河の清浄水故に白酒の首都として知られている。 ウォン氏によると、貴州省の気候は涼しく、そのため白酒作りにも適している。

RTHの蒸留所では、毎年7000トンを超える茅台酒を生産している。 その白酒は有機モロコシと68の中国の薬草から作られている。　

生産工程は9回の蒸留、8回の発酵、7回の濾過からなる。その後、少なくとも3年間多孔質陶器瓶に貯蔵して熟成させる。

ウォン氏によると、揮発性物質のほとんどが蒸発するまでに5~9年かかり、その結果、滑らかで香り高い酒になるという。

中国が新型コロナウイルス (COVID‐19) の最初の症例を報告したとき、多くの企業が影響を受け、サプライチェーンが崩壊した。

RTHに関してウォン氏は、貴州省では政府の安全衛生指令に従っている間、生産と原料供給について若干の混乱があったが、町の利点は「本質的に比較的隔離された地理的内陸地域内の自己完結型の生態系であるため、混乱も対処可能であった」と述べた。