データは2018年を対象としており、171か国の醸造業者に送付したアンケートから得られた調査結果に基づいている。
世界的なビール生産量の増加は、主にメキシコに起因しており、増加分109万キロリットルの90%を占め、ロシアやフィリピンなどの国々も生産量の増加に貢献。
キリンのスポークスマン、Ataka Takashima氏によると、増加は「気温が高い期間が通常より長く続いていることと、FIFAワールドカップによるもの」であった。
アジアは未だにトップ
国別にみると、中国は2018年に2.2%減少したにもかかわらず、引き続き世界最大のビール生産国(3900万キロリットル)となっている。続く米国(2100万キロリットル)も前年比1.7%の減少、日本は7位(500万キロリットル)であり、同じく2.7%の減少。
アジアは、前年比で1.4%減少したにもかかわらず、シェア32%と引き続き、世界最大のビール生産地域となっている
報告書によると、アジアは、中国、日本、ベトナムにおける生産は減少したものの、インドとフィリピンの好調な業績により、トップ生産地域としての地位を維持した。
フィリピンのビール生産量(220万キロリットル)は11%増加し、4年連続で増加となった。 インドの生産量(200万キロリットル)は4.9%増加。
ヨーロッパの生産は2.1%、中南米は2.9%、アフリカは1.7%、中東はそれぞれ4.3%増加となった。
ヨーロッパの生産の増加は、クラフトビールへの関心の高まりに起因している。
成熟する消費者需要
Takashima氏によると、伝統的な生産大国における生産の低下は、いくつかの理由による。
「中国では、消費者需要の成熟と市場の飽和が原因でした。」
「日本では、消費者の好みは、ビールではなく、チューヒやハイボール(ウイスキーやソーダ)などの他のアルコール飲料に向かっています。」
フィリピンの場合、ビール生産の2桁成長は、持続的な経済成長によってもたらされた、より良い収入状況から生じる個人消費の増加によるものであった。
日本については、消費が引き続き減少すると予測。
「市場は引き続きマイナス成長であるとみています。」