災害地域に栄養を届ける:宇宙食プロジェクトがゼリーソリューションに注目

By Guan Yu Lim

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災害地域に栄養を届ける:宇宙食プロジェクトがゼリーソリューションに注目

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宇宙ミッション向けの食品を製造する企業が、災害時に栄養必要量を満たすことに注目し、初のゼリー製品を発売。

Life Stockというブランド名で販売されているゼリー製品は、災害時における人々のための備蓄食品を目指している。

これらの製品は水を必要とせず、食物繊維と7種類のビタミンを含む。

カロリーと栄養が補給できるLife Stock製品はエナジータイプ(洋梨味とぶどう味)、およびバランスタイプ(アップル&キャロット味)で構成されている。

同社は、9月にクラウドファンディングサイトMakuakeで先行販売が開始されて2週間後に、250万円の売り上げを達成したと発表した。

エナジータイプ、5個入りで2,000円、バランスタイプは9個入りで同価格。

今年5月に完成した宮城県多賀城市の新工場で製造されている。

食品と宇宙のパートナーシップ

Bosai Space Food Projectは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と、宮城県でレストラン、ホテル、製品開発、災害備蓄を運営する企業である株式会社ワンテーブルとのコラボレーション。

2018年8月に宇宙に関する知識とR&Dを組み合わせて宇宙と災害時の両方で活用できる新しい食品を開発するための覚書に署名。

これまでに、宇宙関連の食品を開発するプロジェクトに約10社が参加している。

既存の緊急配給の課題

ワンテーブルの社長兼CEOであるMasayuki Shimada氏は、特にインフラが限られている場合、現在の緊急配給は不利であると述べている。

「水が手に入らない場合、特に乾パンは乾燥しているため、咀嚼力が弱い幼児や高齢者は食べることができません。」

乾パンは、炭水化物を含む備蓄食品の代表だが、グルテンにアレルギーのある人は食べることができず、さらに、「米、麺などのレトルト食品やインスタント食品は、水、ガス、電気が利用できない場合は役に立ちません」、災害直後、最も緊急な事態は常に水の不足であると語っている。

Life Stockゼリー製品には水分量が72%含まれており、水分補給として摂取でき、熱中症や便秘を防ぐことができると同社は説明している

既存の備蓄は、パンやおにぎりなどの炭水化物と砂糖を多く含む食品で構成されているため、 栄養の不均衡を引き起こし、疲労や体調不良につながる可能性がある。 また、免疫力を低下させ、風邪や感染症の蔓延につながる可能性があるという。

同氏が食づいた別の障害は、糖尿病などの特定の健康状態の人々に適した食品の不足であった。

ゼリー災害食品

Life Stockは水や電力なしで食べることができ、室温で5年半保存できる。

既存の乾パンは5年の保存可能期間があるので、Life Stockは5年以上の期間を目指したとShimada氏は語っている。

ワンテーブルは、無菌充填とパウチ用のアルミニウムを含む4層フィルムを組み合わせた充填技術Tokinaxを開発し、特許を取得した。

同氏の説明によると、パウチは「薄いが、缶詰と違いはない」との事。

未来

将来、より多くのフレーバーのゼリーを開発するとともに、アレルゲンを含まない食品やベビーフードなどの他の製品を開発することを目指している。

医療および介護において、同社はまた、胃瘻のある人々など、重度の障害を持つ人々が食べられる製品も模索している。

日本災害食学会は今年、約120の製品を「災害食」として認定、ゼリー類は災害食として初めてのものとなった。

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