日本のクリーンミート会社インテグリカルチャーは新工場に3億円を調達

By Tingmin Koe

- Last updated on GMT

日本のクリーンミート会社インテグリカルチャーは新工場に3億円を調達
日本のクリーンミート会社であるインテグリカルチャー株式会社は大衆市場向けの手頃な価格の製品を作るために、シード期の資金調達で3億円を調達た。

同社が2021年までに商業的に立ち上げ可能な培養「フォアグラ」​の開発を行っていることをすでに報告した。

主な出資者はリアルテックファンドで、その他には、Beyond Next Ventures、A-FIVE(政府系ファンドの農林漁業成長産業化支援機構)、MTG Co., Ltd.、ユーグレナ株式会社、北野宏明博士(ソニーコンピュータサイエンス研究所のCEO)などがいる。

開発資金

この資金調達によって、インテグリカルチャーは試験プラントと最初の商業プラントの建設による早期の市場参入を目指している。両方のプラントとも、同社が特許を取得した汎用大規模細胞培養システムである「Culnetシステム」が特徴である。

インテグリカルチャーは、一般消費者に手頃な価格でクリーンミートを提供することで、食肉生産における現代の工場式農場の手法に関連する持続可能性、食料安全保障、公衆衛生の問題を解決することを目指している。

2013年、Mosa Meatsの創業者Mark Postが、最初にラボで育てたバーガーパティーを製造したとき、200gの値段は25万ユーロだった。

インテグリカルチャーによると、既存の細胞培養法で100gのクリーンミートを製造する費用は、現在では数百万円かかるそうだ。

しかし、Culnetシステムは、ウシ胎児血清(FBS)などの高価な成長因子を添加せず、幅広い細胞を培養できると同社が紹介している。

以前に報告したとおり、インテグリカルチャーは2017年、クリーンチキンフォアグラの培養(肝臓細胞を使用)を実演した。その試みの中で、100gあたり1万円(約95米ドル)未満で細胞を培養できることも示した。

それ以降、同社はさまざまな食品、サプリメント、化粧品会社から注目されているとのことである。

クリーンミート、安全な肉

「クリーンミートの最大の利点は、持続可能性です」​とインテグリカルチャーの創業者でCEOの羽生雄毅教授は語る。

彼は以前、培養肉は従来の農場飼育の食肉よりも、99%少ない土地と、96%少ない水で済むと教えてくれた。

「クリーンミートによって、インフルエンザ、BSE(狂牛病)などがなくなるでしょう。

また、家畜に対する抗生物質の多用とその結果としての多剤耐性は、進行中の公衆衛生問題ですが、クリーンミートでは問題になりません」と付け加えた。

同社は今年中にパイロットプラントを建設し、2019年末~2020年頃に最初の商業プラントを建設して、Culnetシステムの規模を拡大し、それ相応の細胞培養コストの削減を計画している。

その他の開発と規模の拡大

インテグリカルチャーはまた、2020年初頭までにサプリメントや化粧品部門で最初の製品を発売し、2020年代にかけて、食品を含む細胞農産物製品を製品ラインに徐々に追加していくと計画している。

2020年半ばまでに、同社はクリーンミートの値段を従来の肉と同等にまで下げて、ますます期待される安全で持続可能なタンパク質を提供する計画である。

羽生教授は以前、クリーンミートを競争価格にするには、一定の規模に達する必要があると語った。

「すぐに市場性のある培養細胞製品から開始し、次に価格の高いフォアグラ、次に一般の肉に移行することを計画しています」​と語った。

インテグリカルチャーは高価なFBSを一般的な食品中に存在する安価なFBS代替品」​に置き換えることによって、培地コストを削減した。

この培地を使用することで、同社は1Lあたり10円以下まで培地の価格を下げることができた。

Culnetシステムは、システム内の複数の細胞増殖因子を微調整することで、前述の安価な培地の有効性を高め、それによって広範な細胞で高効率な細胞培養法が可能となります。

従来の使い捨てバッチシステムとは異なり、Culnetシステムは連続フロープロセスであり、つまりこのシステムは容易に並列化と大型化によって拡張できます」と同社は述べる。

同社によると、次の資金調達ラウンド、シリーズAは2019年末を目標にしている。同社はさらに1200万米ドルの資金調達を目指している。

Related topics Japan

Follow us

Products

View more

Webinars

Food & Beverage Trailblazers

F&B Trailblazers Podcast