乳製品
低プリン体がトレンドの日本で明治がPA-3ヨーグルトを開発
PA-3ヨーグルトは、飲むタイプとスプーンですくうタイプの両方があるが、プリン体分解能力があることが研究で証明されているLactobacillus gasseri PA-3というプロバイオティク乳酸菌を含有している。「我々が研究した、この製品にも入っているプロバイオティクス菌種は、プリン体を代謝する」と明治乳業研究開発部長リチャード・ウォルトンは6月アムステルダムで開催されたZenith International Global Dairy Congressで語った。
「プロバイオティクスという概念は、単にプリン体を含まないだけでなく、体内に摂取されるプリン体の量を実際に減らすことができることをいう。」プリン体は、肉、脂っこい食べ物、ビールなどに高濃度で含まれる核酸であるが、尿酸の前駆体である。
乳酸が体内に蓄積すると痛風を発症する。
痛風とは、関節に大きな腫れと激痛が生じる一種の関節炎で、足の親指に顕著に現れる。「そのため医師は痛風になりそうな人に対して食事内容を見直すように指導する。例えば、ビールは飲むのを止めるようにと言われる。牛肉・羊肉だけでなく、魚も多くの種類が食べられなくなる。Fill-fatの乳製品ですら控えるように指導される」(ウォルトン氏)。
痛風は65歳以上の高齢者に特に多い。現在、日本の人口は1億2500万人なので、この年齢層はその約四分一に相当する。2055年には高齢者が日本の人口の約40%を占めると予測されており、日本でプリン体フリーのトレンドが高まってきたのも不思議ではない。
アサヒ、サントリー、キリン、サッポロなど日本の大手ビールメーカーは、数年前からプリン体フリーのビールを生産している。例えば、アサヒでは、プリン体フリー製品としてSuper Zeroを出している。一方、サントリーでは、Delicious Zeroの商品名で、またサッポロではDelicious Zeroのラベルでプリン体フリーのビールを開発した。
「ビール会社はこぞってこの流れに乗り、プリン体ゼロのビールを発売した」(ウォルトン氏)。
「弊社研究チームは、かなり早い段階からこのトレンドを捉えていた」(ウォルトン氏)。
PA-3は、病気のリスクを減らせるとされるプロバイオティクス成分を含む製品として明治乳業が開発した最新のヨーグルト製品である。
本製品は、明治のProbio LG-21およびR-1ヨーグルトと共に食品売り場で買うことができる。